「国際公務員になりたい」
ボランティアとしてだけでなく、キャリアとして国際協力を考えている場合、国際公務員の給与事情は気になるところだと思います。
国連職員については、実は外務省国際人事センターのページにて、日本語で説明がされています。
一方で、ユニセフなどの「国際機関」と世界銀行などの「国際金融機関」は異なる給与基準を持っていますが、日本語で説明が書かれているものは見つかりませんでした。
国際機関は外務省の管轄、国際金融機関は財務省の管轄ということも、外務省国際人事センターに載っていない理由かと思います。
わたし自身、国際機関でのキャリア形成に関心が高いので、世界銀行職員の給与基準についてまとめました。
今回まとめているのは、職員の給与であり、コンサルタントの給与は異なることをご了承ください。
コンサルタントについては、こちらの記事で別途まとめています。
国際機関で将来働きたいと思っているあなたに。世界銀行には、コンサルタント(Short Term Consultant)という雇用形態があることをご存知でしょうか?簡単にいうと「任期付」で「年間の労働日数に制限」のある「契約社[…]
国際金融機関(世界銀行)の給与基準
最新の世界銀行の給与基準(英語)は、毎年7月頃に発表されています(公式サイト)。
本記事では、この公式情報に基づき、国際金融機関職員の給与を読み解いていきます。
世界銀行本部職員の年収
世界銀行本部職員の給与は、アメリカ合衆国の消費者物価指数(CPI)に基づいて決められています。
下記は、2023年7月時点のものです。
ドル円が大きく変わったので、その影響を受けて、日本円にするとかなり高くなっています。
レベル | 中央値(アメリカドル) | 中央値(日本円:1ドル150円換算) |
GA | 46,200 | 693万円 |
GB | 54,800 | 822万円 |
GC | 67,100 | 1006万円 |
GD | 79,900 | 1198万円 |
GE | 109,500 | 1642万円 |
GF | 145,300 | 2179万円 |
GG | 188,500 | 2827万円 |
GH | 253,800 | 3807万円 |
GI | 335,900 | 5038万円 |
GJ | 384,400 | 5766万円 |
GK | 437,400 | 6561万円 |
情報元は、こちらの世界銀行公式サイトです。
世界銀行職員の種類
GA〜GD:事務職員
- GA: Office Assistant
- GB: Team Assistant
- GC: Program Assistant
- GD: Senior Program Assistant
GA – GDレベルのポジションには、学士号と2 – 3年の経験が必要だそうです。
GE-GI:専門職・技術職
- GE: Analyst
- GF: Professional
- GG: Senior Professional
- GH: Manager,
日本の給与基準から比べると高給ですが、アメリカは物価も平均給与も日本よりも高いですから、どうなのでしょうか。
GH-GJ:管理職
- GH: Manager
- GI: Director, Senior Advisor
- GJ: Vice President
- GK: Executive Vice President
世界銀行職員の手取りはいくらになるのか?
これまで給与について確認しましたが、額面ではなく手取りはいくらになるのでしょうか?
世界銀行のコンサルタント職の記事でも書きましたが、国際公務員の場合は、税金がひかれないため、額面が手取り金額になるようです。
また、年収計算のため、ボーナスなどは特にないようですね。
国際金融機関(世界銀行)の福利厚生
世界銀行の福利厚生については、こちらのページに英語でまとめられています。
日本語にして分かりやすく解説していきます。
各種社会保険
健康保険、生命保険、事故保険、労災補償が含まれているようです。
また、自己負担で追加の生命保険、傷害保険に入ることもできます。
年金プラン
世界銀行の年金プランがあるようです。
移住時のサポート
国際採用(International Recruitment Staff)というカテゴリで採用された場合には、移住時のサポートがあるようです。
具体的には、赴任時と雇用終了時に、移住のための費用が支給されます。
また、国際採用の場合はモビリティプレミアムというものももらえるようです。
有給休暇
世界銀行の有給休暇は、年間26日間と15日間の病気休暇なようです。
世界銀行職員の給与事情まとめ
以上、この記事では国際金融機関として有名な世界銀行グループの給与事情についてまとめました。
これまで日本語では資料がなかったので、将来国際機関で働いてみたいと思っている人の参考になれば幸いです。