国際機関で将来働きたいと思っているあなたに。
世界銀行には、コンサルタント(Short Term Consultant)という雇用形態があることをご存知でしょうか?
簡単にいうと「任期付」で「年間の労働日数に制限」のある「契約社員」のような契約です。
いわゆる国際公務員・国際機関の職員という立場と比べると、契約面では不利な立場ですが、コンサルタントを経験してネットワークを作り、認められていくことで、職員になっていく人が日本人でも多くいるようです。
この記事では、そんな世界銀行のコンサルタントについて、採用、待遇、年収についてまとめます。
こんな方にオススメ
- 将来、海外で働いてみたいと思っている
- 特に途上国の仕事・国際協力の仕事がしたい
- 国連職員を受けているが現段階では受からないので、経験が必要
世界銀行本部のコンサルタント(Short term consultant)契約・待遇
世界銀行グループの世界銀行(IDA・IBRD)・国際金融公社(IFC)・多数国間投資保証機関(MIGA)・投資紛争解決国際センター(ICSID)のコンサルタント契約についてご紹介します。
参考資料:Notes for Short Term Consultants (STC) And Short Term Temporaries (STT) HQ Appointments
世界銀行コンサルタントの労働日数
世界銀行では、コンサルタントの労働日数について、年間の上限日数・時間が決まっています。
コンサルタントは、年間150日または1200時間までしか働けないようです。
150日を12ヶ月で割ると、月に12.5日程度です。
1ヶ月に4−5週間あるとすると、週の労働日数は約3日間です。
また、アメリカのVISAの関係から、世界銀行でコンサルタントをしている間はアメリカで他の仕事はできないようです。
世界銀行コンサルタントの給料・年収
Grassdorに登録されている120人の情報によると、世界銀行でショートタームコンサルタントを行う場合の給料は、次のようです。
- 時給23-103ドル(約2500円-11,000円):平均37ドル(約4000円)
- 年収41千-79千ドル(約450万円-870万円):平均48千ドル(約530万円)
これらの給料は、国際公務員ということで、「非課税」です。
つまり、手取り金額ということになります。
世界銀行コンサルタントの福利厚生
他にも、ショートタームコンサルタントでは次のような福利厚生があるみたいです。
- 労働保険:怪我や病気など
- 死亡保険
世界銀行コンサルタントで働いている人の特徴
何人か世界銀行のショートタームコンサルタントで働いている知り合いがいるので、聞いた情報をご共有します。
1番の特徴としては、多くの人がアメリカの大学院を出ています。
新卒すぐ、または新卒数年でコンサルタントをしている人が多そうです。
特にワシントンDC近郊の大学院を出ている人が多く、そこでのネットワークからコンサルタントの仕事を見つけているようです。
日本の大学院を出ていても、ネットワークで仕事を見つけている人もいるので、日本にいる場合は常に情報を探しておくことが重要ですね。
世界銀行本部のコンサルタントの評判
アメリカの転職口コミサイトのGrassdoorのサイトから世界銀行コンサルタントの評判(英語)を抜粋してまとめました。
全体としては、83%が友人に勧められる仕事と回答しているようです。
良い口コミ
良い口コミを抜粋すると、次のようなものが挙げられました。
国際協力・国際開発におけるネットワークやブランド力、多様なチームでの労働環境が魅力的なようです。
- 国際機関でのネットワークができ、機会が広がる
- 履歴書に書くのに良い
- ライフワークバランスが良い
- チームごとに異なるプロジェクトに取り組むことができる
- 世界から来た多様なチームで働ける
- 海外出張がある
悪い口コミ
一方で、悪い口コミとしては下記が挙げられました。
作業の単純さや、福利厚生の少なさ、キャリア、チームの雰囲気への不満が書かれています。
- 分業で基本的な作業が多い(ExcelやStata)
- 健康保険の福利厚生がない
- キャリアパスは保証されない
- 官僚的なところがある
- チームの雰囲気や質によっては労働環境が悪い
国際公務員:世界銀行でコンサルタントとして働く
この記事では世界銀行の本部ワシントンDCで、コンサルタント(Short term consultant)として働く場合の待遇や口コミをまとめました。
労働日数に制限があるものの、給料はある程度高く、ワークライフバランスが高いのが特徴です。
大学院の新卒から数年程度で働き始めている人が多そうです。
将来的に、国際協力の舞台で働きたいと考えている人は、1つ目・2つ目のキャリアとして考えてみてはいかがでしょうか?