Charles Schwab:海外証券口座の日本での確定申告

海外(アメリカ)の証券口座で投資している場合の日本での確定申告の方法が知りたい!
ぐら
本記事では、こんな要望におこたえします。
日本の証券会社の場合は、NISAや特定口座などを使うことにより、確定申告せずに税金を済ませることができるのですが、アメリカなどの海外の証券口座で取引して、日本に居住している場合には、確定申告が必要になります。
私たちの場合は、アメリカで生活していた時の証券会社の口座を維持して、日本に帰国後も米国株などに投資しているため、日本で確定申告する必要があります。
グリット
ニッチな話題なため、情報が少なくて大変でした。
本記事では、Charles Schwab International の具体的な事例で、確定申告に必要な「利益」などの計算方法を解説していきます。
具体的には、下記を計算します。
  • 金利
  • 配当金(米国で引かれる税金の計算も含む)
  • 株の譲渡益(売却による利益)

米国銀行・証券口座での利子による利益

ぐら

まずは、最も簡単な利子の計算から説明します。

ざっくりいうと、下記のように計算します。

  1. 利子を受け取った日付と金額(米ドル)を確認
  2. 米ドルを受領日のレートに基づき日本円に換算
  3. すべての日本円換算した利子を合計
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利子を受け取った日付と金額(米ドル)を確認

まず、下図の通り、Charles Schwabにログインし、Accounts からHistoryにアクセスします。

ぐら
[Transactions]が選択されていることを確認し、[Filter by transaction type]をクリックしましょう。

グリット
フィルターのなかで、Interest [利子]を選びます。

 

ぐら
Data Range をPrevious Year とし、Searchしたのちに、Export をクリックし、csvフォーマットでエクスポートします。

米ドルを受領日のレートに基づき日本円に換算

上記でエクスポートできたファイルでは、すべての利子がエクセルでまとめられています。

ただし、表記がUSD(米ドル)になっているため、日本円に換算する必要があります。

ドル円は、毎日変わっているため、利子を受け取った日のドル円レートにて換算しなくてはいけません。

そこで、毎日のドル円レートをInvesting.com のこちらのリンクからダウンロードします。

グリット
リンクにて、下記のように期間を必要な時期に合わせて、データをダウンロードします。

ぐら

ダウンロードした2つのファイル(Charles SchwabとInvesting.com)をもとに、日本円での利子をエクセルで計算します。

 

グリット

Vlookup関数を利用して、下記のようにUSD/JPYを取得し、JPYの列を自動計算します。

Vlookupの式の例
=VLOOKUP(A3,’USD_JPY 過去データ’!$A$2:$B$784,2,FALSE)JPY = Amount x USD_JPY

 

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すべての日本円換算した利子を合計

JPYの行に出てきた日本円換算の利子をすべて合計することで、該当年の利子を得ることができます。

こちらで計算された値を、確定申告の「利子所得」として申告しましょう。

米国証券口座での配当金の計算

続いて、配当金の計算をしていきましょう。

基本的には、利子の計算と同じです。

大きな違いとしては、利子に関してはアメリカですでに税金が10%引かれている、という点です。

そのため、この10%に関しても、データを取っておく必要があります。

手順としては、下記の通りになります。

  1. 配当金を受け取った日付と金額と引かれた税金額(米ドル)を確認
  2. 米ドルを受領日のレートに基づき日本円に換算
  3. すべての日本円換算した配当金・引かれた税金額をそれぞれ合計

2,3に関しては、利子と同じため、1の配当金と引かれた税金額の、Charles Schwabでのデータの確認方法についてのみ解説します。

配当金を受け取った日付と金額と引かれた税金額(米ドル)を確認

ぐら
利子と同じ画面で、今度はDividendsとTaxes を選択し、エクスポートします。

グリット

図のように、3つのActionが表で現れます。

 

ぐら
簡単に解説すると、下記のような意味です。
  • Reinvest Dividend :米ドルでの配当金
  • NRA Tax Adj :配当金に対して支払われた米国での税金
  • Reinvest Shares: 配当金を再投資した額

 

このうち、上の2つを使います。それぞれ、利子と同様に日本円に換算し、合計します。

得られた値を確定申告の「配当所得」と「外国税額控除」にそれぞれ利用します。

米国証券口座での株の譲渡益の計算

最後に、株の譲渡益の計算について解説します。

これまでは、利子・配当金を受け取ったときの米ドルを日本円に直すだけでよかったのですが、譲渡益はもうひと手間かかります。

購入時と売却時の金額(USD)を、購入日・売却日それぞれのドル円レートに基づき、日本円にしたうえで、その差額を計算する必要があります。

つまり、下記のようなプロセスになります。

  1. 購入日と購入金額、売却日と売却金額のデータを入手する
  2. 購入金額(USD)を購入日のドル円レートで日本円に換算する
  3. 売却金額(USD)を売却日のドル円レートで日本円に換算する
  4. ③売却額(円)から②購入額(円)を引いて合計利益・損失を計算する

2,3に関しては、利子で解説した通り、Vlookupでそれぞれ計算できます。

1,4に関して、説明します。

購入日と購入金額、売却日と売却金額のデータを入手する

ぐら
利子、配当金と画面が変わります。
グリット
HistoryからRealized Gain/Lossを選択し、Previous Calendar Year でExportします。

売却額(円)から購入額(円)を引いて合計利益・損失を計算する

ぐら
エクスポートしたExcelにて、購入日、購入金額、売却日、売却金額が確認できます。
グリット
それぞれに関して、VlookupとInvesting.comからのドル円レートを利用して日本円換算します。

ぐら

日本円に換算した売却金額から購入金額を引きことで、利益を計算します。

グリット
上の図だと、Gain/Loss(JPY)というのが、2/23に購入し、8/25に売却したQQQでの利益の例です。
米ドルだと損しているのに、ドル高円安になったことで、円に直すと利益が出ることになっており、すぐに日本円にするわけではないので、税金的には損になってしまいますね。

利益の合計を計算し、確定申告の「株式などの譲渡所得等」の項目で申請します。

米国株・債券投資の日本での確定申告方法まとめ

以上、この記事では外国証券会社を利用して資産運用している人向けの日本での確定申告方法について解説しました。
今回確認できたデータを実際にe-tax で申請するプロセスに関しては、また別の記事で解説します。

 

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